外科 山本 順司 インタビュー

高度な専門性で変わる病気のパラダイムに対応します

外科
Surgery
副院長 兼
統括部長
山本 順司
Yamamoto Junji

手術だけに限らず治療にはさまざまな選択肢があります

外科には消化器外科、乳腺外科、呼吸器外科、循環器外科などがあります。がんが増えたこともあり、昔に比べて外科は臓器別の専門性が非常に高くなってきました。こうした専門の臓器を除いて外科に残るものといえば、例えば急性虫垂炎いわゆる盲腸、あるいは脱腸と呼ばれるヘルニアがあります。これらはごく一般的で比較的身近な病気で決してなくなることがありません。手術という手段を使って治療をしていく病気ですが、僕が医者になって、がんが増えているのに対し、虫垂炎やヘルニアの数は変わっていないと思います。

30年間、僕はがんを中心にやっていますが、全てのがんが増えているのではなく、例えば胃がん、肝臓がんは急速に減っていますし、治療の仕方も大きく変わってきています。1990年頃は肝臓がんの治療は手術が基本でしたが、その後は針を刺してがん細胞を焼く治療が増えてきました。今では手術も残ってはいますが、針で焼く治療だけでなく、薬で治療する選択肢も出てきました。C型肝炎も治る時代になり、病気のパラダイムが時代とともに変わってきていることを感じています。

患者さんの笑顔のために闘っています

僕が専門とする肝胆膵の悪性疾患は、胃がんや大腸がんなど他のがんに比べて、治癒する割合が低いのが特徴です。胃がんや大腸がんは大体、5年生存率が65~70%あります。しかし、膵がんは7%で、胃がんや大腸がんの10分の1となっています。肝臓がんは30%程度、胆のうがん、胆管がん20%台ですから、治るのがいかに難しいかがお分かりいただけるかと思います。手術が必要な方は進行して来られることが多いので、手術も時間を要します。手術は7~8時間が普通ですが、進行している患者さんだと半日とか長いと20時間位かかることあります。

治らないケースが多い中で、大変な手術を受けた患者さんが退院の際、「ありがとうございます」と声を掛けてくださると、外科医をやっていて本当に良かったと思います。

患者さん側に立った治療を続けています

日常診察では、とにかく患者さん側に立って考えることを大切にしています。僕は患者さんにがんの告知をしますが、例えば肝臓がんの場合、手術できるのは20%程度なので、手術しても再発の確立は75~80%であることや、安全な手術だけれど長時間かかること、手術後に残るお腹の傷のことなど、詳細にご説明します。手術を望まないのであれば、抗がん剤を使う治療もありますし、直りはしませんが放射線治療をすれば、がん細胞を一旦縮小できることなどを説明して、最終的にはご自身で考えて決めるようにお話します。告知をされても、現実を受け入れるまでには時間がかかるのは当然ですので、ご家族ともよく相談した上で、どうするのかを決めていただく。

患者さんがどう考えているのかをこちらでよく考えてあげ、こうした方がいいと頭ごなしに言わないことを心掛けています。当院は紹介されてくる患者さんが多いので、新東京病院なら直してもらえるかもしれないという希望を持って来られる方もいらっしゃいます。しかし、患者さんの思い描いているような治療ができないこともあるので、それをお伝えする時は30分~1時間ほど時間をかけます。ご説明をしてよく考えていただいた後に、もう一度お話をするようにしています。今後、ますます高齢の患者さんが増えていくことが考えられるので、より丁寧な対応が必要になると思います。

専門医がそろった最高の治療を提供できるのが強みです

一般の総合病院で臓器ごとに専門家がそろっている病院は、それほど多くありません。特に消化器外科で、「上部消化管」「下部消化管」「肝臓・胆道・すい臓」といった3領域の専門家がバランスよくそろっているのは、当院の強みだと思います。少なくとも外科技術に関しては、日本の最高レベルの治療ができます。しかも私立病院ですので、柔軟に対応することができます。私は副院長として、時代とともに変遷する疾病構造に遅れないように、その時々に最適な医療を提供できるような体制を整えていくことが求められていると思います。それを実現するために現在、教育システムに取り組んでいる先生がいて、若手の教育に力を入れています。

持続可能な外科の体制で時代に遅れない治療を提供するのが目標です。この春からは手術支援ロボットのダヴィンチを導入し、食道、胃、大腸の特に直腸の手術に使っています。上部消化器官の医師は80件以上、下部消化器官の医師も60~70件はロボット手術の経験があります。ロボット手術は視野が拡大されて、安全に手術ができるなどメリットも多く、アメリカでは97~98%がロボット手術で行われています。日本では泌尿器科で使う病院が増えていますが、ますますこうした動きは広がっていくと思います。

じっくりお話を聞き、患者さんと一緒に治療を考えます

心配事や悩み事は、誰かに話したり、聞いてもらったりするだけで、気持ちが楽になることがあります。ですから当院の外科はこれからも患者さんのご希望をよく聞いて、患者さんと治療を一緒に考えていきます。技術的にも最良で最高のものを提供いたします。そしてホスピタリティにもこだわっています。最高レベルの医療を提供できるチームを目指しておりますので、何かお困りのことがあったら、ぜひご相談ください。