心臓内科 石黒 久晶・三友 悟 インタビュー

心臓に関するほとんどの病気を治療するのが心臓内科

心臓内科
Cardiology
石黒 久晶
三友 悟
Ishiguro Hisaaki/Mitomo SatoruIshiguro Hisaaki/Mitomo Satoru

症例数は関東圏で有数の実績を誇ります

【石黒】心臓内科は最初の診断から始まり、心臓に関するほとんどの病気の治療を行うことができる診療科です。循環器の治療範囲は時代と共に増え、領域が拡大しています。薬物治療だけではなく、カテーテル治療という外科に近い治療も行っているかなり特殊な内科だと言えます。例えば狭心症とか弁膜症なら、外科か内科のどちらかで治療するのがいいのかを合同のカンファレンスで話し合い、手術かカテーテル治療のいずれを勧めるか選びます。

心臓の中の構造を指すストラクチャーという言葉があり、弁や心臓の中の壁が欠損している先天性心疾患などを治療するのも、心臓内科でマネージメントすることができます。

特に当院は優秀な医師が全国から集まっているので、知識と技術の両方を兼ね備えた治療を提供することができます。

生活習慣病の増加に伴い、動脈硬化が原因で足の血管が詰まって足が壊死するケースも増えていて、足に病気がある人の約4割に冠動脈の病気があります。当院は血管全般を診るのも特色なので、足が壊死した患者さんの治療もかなり積極的にやっています。他院で足の切断しかないと言われた患者さんが当院を受診し、カテーテルの小さい傷だけで歩いて帰ったというケースもたくさんあります。足の治療は形成外科もとても充実していますので、他の診療科も含めトータルで治療できることも自慢で、症例数では関東でも有数の実績を挙げています。

積み上げたデータを検証し、新しい知見を取り入れる治療も当院の特徴です

【三友】心臓内科での治療を、患者さんは簡便な、簡単な、危険性の少ない治療だと思われがちです。しかし、外科医が心臓を止めて手術をするのと同じように、心臓内科も命に直結することを十分に理解していただく必要があります。そのために我々が積み重ねてきたデータをしっかりまとめてレビューし、患者さんにした治療は正しかったのかどうかを検証して、常に新しい知見を取り入れた上で、患者さんに良いものを提供することを繰り返していきます。これも新東京病院の特徴です。

幼い頃の経験が医学の道に進むきっかけに

【三友】学生の時、循環器に興味が湧きました。体の中でこんなにダイナミックな臓器はないと思ったからです。医者を志したのは私が小学生の頃、母が体調を崩して病院のお世話になり、周りの友達がパイロットになりたいとか、ケーキ屋になりたいという同じ感覚で、自分が医者になれば母が良くなるのではないかと思ったのがきっかけです。大切な命に直結する科だという責任感もありますが、とてもやりがいを感じています。

【石黒】私の父は腹部外科の開業医でした。病院が自宅の目の前にあったので、夜になると救急の患者さんが「先生いますか」といって訪ねて来られるわけです。父は風呂上りでも嫌な顔せずに診察をしていました。幼い頃から見ていた父の姿に影響を受けたと思います。

患者さんと医師の信頼関係づくりは、より良い治療を導きます

【三友】休日でも夜中でも当院の循環器の医師たちは時間に関わらず、自分の判断で病院に来ています。患者さんに対する思いと責任感がそうさせているのでしょう。主治医は治療をする上で、患者さんの人生を一緒に歩まなければいけないところがあります。だからこそ親身になれたり、時には厳しくなれたりするのだと思います。

患者さんと医師の関係は信頼関係に他ならないと思っています。信頼関係を築くためには、繰り返しお話をするしかありません。治療方法について患者さんご本人もご家族も「よく分からないのでお任せします」とおっしゃることがあります。でも、よく分からなければ分かるまでお話をし、ご理解いただくことを心掛けています。

どの治療方法を選ぶか患者さんが迷って答えを出せない時、私は自分の両親、祖父母に置き換えて「あなたが私のおじいちゃん、おばあちゃんだったらこうすると思いますよ」とお話しすることがあります。それが決して正しいとは思いませんが、それくらいの気持ちで患者さんと向き合っています。

患者さんの緊張や不安を最小限に減らすことを心掛けています

石黒】自宅以外で過ごすこと自体、患者さんにとってストレスですし、不安になるのも当然です。例えばカテーテル検査室では、まず患者さんに心電図モニターを付けますが、緊張して血圧も脈拍も速くなっています。そのためスタッフからも検査の手順を詳しく説明するとか、なるべく声掛けたり、治療の際も痛みがなるべく出ないように鎮静をかけたりして、不安を少しでも軽くするための努力をしています。

手術の前は、患者さんが出すサインをなるべく見逃さないようにしたいと思っています。看護師は医者より患者さんと過ごす時間が長いので、看護師からの報告を聞いて何を発信しているのか理解するようにしています。

「患者さんを中心」に技術、学術、あらゆる手を尽くします

【石黒】一つ一つの治療の技術を高めたいと思います。私は冠動脈と足の治療をしていますが、技術力が求められますので新しい道具が出たら、それを早く習熟する努力をして治療に活かしたい。それにより、あまり良くならなかった重症な患者さんたちを助けられるかもしれません。実際に3年前だったらできなかったものが、道具の改良でできるようになったというケースもあります。

【三友】患者さんのより良い人生のために、我々ができる全てのことやらなければなりません。そのための準備が必要で、技術的なことも学術的なことも日々、研鑽を積むしかありません。

我々が対峙する患者さんは自分の父母世代、祖父母世代といった人生の先輩たちが多く、患者さんはもちろん、ご家族の人生を背負うこともあります。難しい反面、やりがいもあるので、患者さんが良くなると嬉しく思います。その一方で救えなくて悔しい思いをしたこともありますので、同じような患者さんがいたら次こそは何とかしたいと思います。その思いの積み重ねが、技術や学術の面で前に進むことにつながるのだと思います。

とはいえ、一人でやれることには限界があるので、我々がコメディカルも含めてチームを引っぱっていく必要があります。時代が変わる中で患者さんのニーズも異なり、治療する側を取り巻く環境も変わりますから、いろいろなものに対応しなければなりません。ただ、何があっても中心は患者さんであることは変わりませんので、患者さんがより良くなるにはどうしたらいいかをみんなで考えていく病院づくりをこれからも続けていきたいと思います。

高い技術と豊富な実績を備え、多くの心臓疾患に対応します

【石黒】昔に比べてテレビやインターネットで情報を得る人が多いので、それがきっかけで心臓に異常があるのではないかと不安になって来られる患者さんがいます。でも大丈夫です。当院は心臓に限らず優れた医師が全国からたくさん集まっているので、ほぼ全ての治療ができます。しかも、夜中でも必ず誰かしら医師がいて、治療をしています。心臓の治療内容に関してはほぼ全ての選択肢があるので、患者さんにはいろいろな内容をご提示できます。この点は当院の心臓内科が自慢できる点です。不安があれば、いろいろ調べて不安の原因を探しますので、安心してご来院ください。