メッセージ

SHOTARO NAKAMURA
経歴

生年月日 1966年8月24日 熊本県出身

  • 1996年

    大分医科大学医学部 卒業

  • 1998年

    湘南鎌倉総合病院 初期臨床研修終了

  • 2000年

    千葉中央メディカルセンター

  • 2002年

    セコメディック病院

  • 2006年

    新東京病院 入職

迷いを払拭させてくれた兄(院長)の存在

私が当時初期研修先を選んだ理由としては、カテーテルで有名な先生がいてその先生が私の兄(中村淳院長)の師匠だったことです。学生の頃から心臓内科を志望していましたが、安心して医療がやれたらいいなと思っていたので、初めは小児科を志望していましたが、兄に「逃げるのか」と言われ、その一言で変わりました。初期研修中は1人で4、50人の患者さんを任せられて当時は厳しかったです。

兄とは歳が離れているので自分が学生の頃は兄はすでに医者でした。自分が医者になったのは遅く29歳の時で、兄が自分にカテーテルを教えてくれました。進路を選択する際も兄の存在は本当に大きかったです。

「感覚」は自分の努力と比例して身につけられる

当院に入職してから自分には出来ないような治療があったんです。手取り足取り教えてくれることはないので、出来る限り見て覚えました。自分なりにこういうのだな、と解釈してノートに書き留めました。自分の心の弱さであったり、こういった場面で手が震える、なども全て書き留めて克服するためにどうしたらいいかを常に考えました。
転機になったのは自分がタイに手術をしに行って、難しい手術をやって来いと言われた時。全てやったことがない症例でした。結果自分の経験のあらゆる引き出しを引き出して乗り越えられましたが、再度改めて呼ばれた時、何回かやっていると上手くいかない、思い通りに出来ないな、と気づいたんです。そこで自分の弱点を目の当たりにするんです。なんで自分ができたのかできないのかを考えて穴をなくしていく。僕の中では感覚なんです。
自分の技術に対して感覚が身についた理由は、一つ一つの症例について深く考えたからです。何故こういう結果になったのか、何故ワイヤーがこういう形で入るのか、全てにおいて考えます。行き当たりばったりだと上手くはなれない。

腕の上手さではなく、
考える力をつけて欲しい

当院では先生に対してレベルを見極めて、まだ任せられないなということはなく、まず任せます。年間の症例数も多いので研究の対象はたくさんありますし、しっかり考えればしっかり上手くなります。もちろん数は大事ではありますが、一つ一つの症例をきちんと消化して、何故カテーテルがかかりづらかったのか、何故この血管はかかりづらかったのか、そういった事を深く考えないと、次はたまたまでは上手く行きません。100パーセントに近い確率で仕留められる技術を目指して欲しいです。

メリハリのある教育を維持したい

当時自分が研修中の時、カテーテルをやっている先輩が意地悪でいつかもっと上手くなって必ず見返してやろう、という気持ちでいました。自分はそういうのが本当に嫌いなので自分は後輩には絶対にしないようにと思っています。注意はしますがそれ以上はあまり言わないようにしています。言ってしまうとみんなついて来たくなくなってしまうので、そのバランスを大事にしています。そういったことが自分も苦手だと気付いているので、自分がされて嫌なことは人にもしたくありません。

自分に余裕がないと人を叱ったり強く出てしまいますが、余裕がある人間は多少なにかあっても、笑い飛ばせるくらいの人です。当院の人たちはきつい中でも笑ってジョークを言えるくらいの連中がそろっているので、そういう中だったら多少苦労しても乗り越えられるのではないでしょうか。

責任ある仕事だからこそ育まれる充実感

心臓という分野を選ぶということは、きついことを自分でもある程度分かっていると思いますし、それだけ責任のある診療科であるということは間違いないです。
私は生き様が大事だと思っています。お医者さんは24時間お医者さんで、夜中だろうが患者さんが来たら治療をします。例えばがんの患者さんみたいに2週間後に治療をすればいい、というものではなく1分1秒でも早く手術をしないと死んでしまうので。とにかく自分の技術がどうやったら上がるかをとにかく常に考えていました。
心臓の治療も進化していっているので、そこに関わる面白さもあります。弁膜症を手術でなくカテーテルで治療をするとか、狭心症も昔はバイパス手術しかなかったのが、カテーテル治療でこれだけの技術が発達してきました。不整脈もカテーテル治療で治る時代ですし、自分が手技ができる喜びを感じられます。そこを一緒に味わいましょう。毎日ジェットコースターに乗っているような、ハラハラして自分の心臓がドキドキするような人生を一緒に歩みましょう。