何に対してもですが、ある程度一人前にできるようになるにはやはり最低でも3年ぐらいはかかります。今のアブレーション治療は私が始めた頃よりはるかにテクノロジーが進んでいて、色々と教える側も教えやすく、学ぶ側も学びやすくなったのかなと思います。カテーテルの操作などではなく不整脈に対する病気の知識なり、経験なりを積まないとカテーテルがどう動かせるというだけではなかなか治療に結びつかないと思いますから。診断をするためには正確な心電図診断もできないといけないですし、それに対する知識もないといけません。不整脈の専門医は、循環器内科医の5%しかいません。ニーズはあると思いますが、少し専門医の制度の敷居が高いです。松戸市内でも10人はいないと思います。レアなライセンスにはなりますが、不整脈認定施設も維持していますし不整脈の症例も多いので、その気があればもちろん教えてあげられます。
診療科に限らず何かを選択する上で、条件が良いとか、この分野だったら楽そうだとかそういうところで選ぶのではなくて、目標のためには多少苦労してもいいと思えるような自分の好きなことでないと物事は続きません。私も不整脈を専門にし始めた当初は、今のこの状況はとても想像できなかったですし、将来苦労するかもしれないけど、この道が好きだな、と思えたので今まで続けて来れたのだと思います。しっかり自分が興味があって、一生これでがんばっていこうか、という興味の対象を早めに見つけられたら、どんなに苦労しても乗り越えられるのではないかと思います。