総合診療科紹介
当院の総合診療科では入院患者様を中心に専門科と協力し枠にとらわれない内科系疾患の診療にあたります。
またライフワークで行っている失神診療を外来および入院にて行います。
失神とは何でしょう?
自律神経や心臓が異常に低下するなど原因で、血流が一時的に脳に流れなくなり意識を失うことを「失神」といいます。通常、数秒から数分以内に後遺症なく回復します。一般には「気絶」「気を失う」「脳貧血」とも呼ばれる、意識消失の中の1つの症状です。
失神・意識消失の原因
- 起立性低血圧
いわゆる立ち眩みのひどいもの、起立不耐応症・起立調節障害の原因の一つになる。 - 反射性(神経調節性)失神
長時間の立位(朝礼、満員電車)・緊張・排泄等で自律性神経のバランスが崩れるために失神する。 - 不整脈性失神
心拍数が極端に早かったり、遅かったりするために失神する。 - 心疾患
心臓弁膜症・心筋症などにより失神する。 - 失神以外の意識消失
てんかん、低血糖など。脳梗塞では稀。
当院の失神診療
失神にかかわらず、一過性意識消失に対して初期診療を行います。
一過性意識消失の原因は様々で、失神以外の意識消失(てんかんなど)を含めると非常に広い領域から原因を調べる必要性があり、他の診療科や他の病院と協力して診療を行います。
意識がなくなりそうになる状態(前失神)や、ひどい立ち眩み、起床時に気分が悪くなるなどの症状が出現する方も関連領域として含まれてきます。学会が発表するガイドライン等を基本にしており、特殊な方法を行うわけではありません。発症の状況・症状や心電図所見から危険性を評価して、発作頻度も踏まえて診療に当たります。必要に応じて、入院での検査・治療を行います。
失神の診療はここ数年で、チルト試験(図)や長さ5cm程度の細い植込み型心電図と言われる機器などの進歩や治療法が進んでおり、診断法や治療法がなかった失神にも対応が可能となってきています。
また、医学的に危険性の低い失神であっても生活に影響を与えます。当院の失神診療は「生活の質」の向上を1番の目標としています。意識がなくなったり、なくなりそうになったりして不安な方はぜひ受診してください。
ヘッドアップ・チルト試験

反射性失神・起立性低血圧の診断に用います。
姿勢の変化に伴う心拍数・血圧などバイタルサインの変化を確認します。失神を誘発し症状の確認を行うこともあります。入院での検査となります。
早期に評価が必要な失神
- 心臓の病気や心電図の異常がある方。
- 失神(前失神も含め)回数が多い方。
- 失神のため生活を制限されている方。