消化器内科 原田 英明 インタビュー

早期がんをいち早く見つけて治療します

消化器内科
Gastroenterology
主任部長
原田 英明
Harada Hideaki

内視鏡の検査と治療は当科にお任せください

消化器といっても幅が広いのですが、大きく分けると消化管と、肝胆膵(肝臓、胆道、膵臓)の二つになります。私は消化管を方メインにやっていますが、肝胆膵も大きな分野です。消化管で最も重要視されるのは、腫瘍です。腫瘍を早い段階で見つけて、内視鏡で治療するのが中心になります。

肝胆膵は、肝臓だとウイルス性の肝炎とか、最近ではNAFLDといって脂肪肝からくる肪肝炎や肝硬変に進行した状態までを含む一連の肝臓病が注目を浴びています。胆膵は胆道系の疾患の総胆管結石、胆道系の腫瘍が多いです。膵臓では膵がんですが、増えてきているのでなるべく早期で見つけることに力を入れています。当科には胆膵、特に膵臓の専門医がいて、超音波内視鏡を使った治療を行っています。早期の膵がんも徐々に見つかってはいますが、他のがんに比べるとまだ見つかりにくいのが実情です。現在は超音波内視鏡で1センチ未満のがんも見つかるようになってきましたので、今後も早い段階で見つけられるようにしっかり取り組んでいきたいと思っています。

内視鏡の性能に魅せられて消化器内科医に

義理の兄が消化器内科医だったので、高校生の頃から医者という職業が気になり、憧れるようになりました。高校時代にBSチャンネルで深夜に放送されていた「ER緊急救命室」というアメリカの医療ドラマを見ていたことも、医者になろうと思ったきっかけです。最初は循環器内科を目指していましたので、学生時代はアメリカに留学して、有名な循環器の先生の下で3週間ほど研修もしました。しかし、研修医になって内視鏡を触ってみて、非常に面白いと思いました。口から肛門までつながっている消化管を診ることにとても興味を持ったのです。

消化管の中を隈なく診ることができ、出血や腫瘍を見つけたり、ポリープを取ったりすることもできます。すごいと思いました。人体の内部がダイレクトに視覚に入ってくる内視鏡は自分に合っていると感じ、腫瘍にも興味があったので最終的に消化器内科に進むことにしました。今は腫瘍を取るという、早期がんの治療に重きをおいていますが、自分が社会的に貢献できること、国民のみなさんに貢献できることは何かを突き詰めた結果が、現在に至っていると思います。

高い技術と実績で治療に貢献しています

消化器の早期がんの治療において、当院は優れた実績を出していると思います。全てのデータが全国平均より優れています。入院期間が短いこともその一つです。例えば大腸で内視鏡的粘膜下層はく離術と呼ばれるがんを切除する方法がありますが、それだと全国平均の入院期間が6~7日に対し、当院は4日で済みます。大きな合併症もありませんので、技術の高さを裏付けている証しだと思います。検査にかかる時間は胃カメラの場合、平均で約7分、しっかり精査したら長くて10~15分です。研究データで検査時間が7分と10分では、胃がんの発見率はそれほど変わらないという結果が出ています。5分以内だと発見率が下がっているので、きちんと診断するためには7分が必要です。

最低でも1センチ以下のがんはしっかり見つけています。内視鏡は外科手術とは違い、患者さんの体の機能を損なわずに日常生活に戻ることができます。かつては早期の大腸がんも外科手術が当たり前だったので、大腸の半分近くを取ることもありました。直腸には腹腔鏡が使えない時代もあって、開腹するしかありませんでしたが、今は腹腔鏡やロボットで取ることができるようになりました。低侵襲で終わるので患者さんも安心できるでしょうし、私もそこに喜びを感じています。

安心して治療してもらうために掛ける「大丈夫」

以前、高齢の内科医だった方を治療したことがあります。外科の手術後で胃が半分になっていてほかの病院で治療を断られた挙句、紹介されて私のところに来ていました。その頃、まだ30代の私を見て「この若造が本当に治療できるのか」という不安があったようです。確かに難しい治療でしたが、私は「これくらいなら大丈夫です」と言葉を掛けていました。無事に治療が終わった後、その方は「あの時、大丈夫だと言ってくれたからすごく安心して任せることができた」とフィードバックしてくれたのです。それ以来、余程の病変ではない限り、患者さんがなるべく不安になることがないよう、安心して治療に臨んでいただけるよう、私は「大丈夫ですよ」と声を掛けています。

増え続ける大腸がん、膵がんに注力していきます

増え続ける大腸がんは、数年後に死亡原因の1位になると言われています。ですから、来年完成する内視鏡センターで大腸の検査がたくさんできるようにして、早期の大腸がんを早い段階で拾い上げ、なるべく速やかに手術してあげたいと思います。胆膵では膵臓の腫瘍の拾い上げと、早期の段階での外科手術をしてもらう。そこに重きをおいていくつもりでいます。

50歳を超えたら内視鏡検査をお勧めします

自覚症状がなくても、50歳を超えたら最低1回は、内視鏡検査をお勧めします。何もなければその後は5年後でもいいので、とりあえず1度は受けた方がいいですね。胃がんや膵がん、大腸がんや大腸ポリープなどのご家族がいらしたり、消化管に関わる心配事があったりしたら、気軽に外来にお越しください。どんな小さなお悩みにでもご相談に乗ります。