脳神経外科 石井 則宏 インタビュー

脳神経外科は脳とあらゆる神経系の病気を診察します

脳神経外科
Cardiovascular Surgery
主任部長
石井 則宏
Nakano Tatsuya

手術だけでなく認知症の治療もしています

脳神経外科医は脳と神経の医者です。例えばお腹の不調で内科の先生に診察をしてもらった後、手術が必要だったら外科の先生が手術をして、病状が落ち着いたらまた内科で治療をすることになります。消化器も心臓も同じ病気でも手術となれば外科の先生が執刀します。でも脳神経外科と神経内科はこの仕組みとは異なり、例えばパーキンソン病など神経内科で診察を受ける患者さんが、脳神経外科に移って治療を受けることは非常に少なく、診察する病気が全く異なります。脳神経外科は脳卒中や脳腫瘍、認知症、頭部のけがなどを診て、必要によって手術をしています。頭痛やめまい、手足のしびれなどの症状のほか認知症など、あらゆる神経系の病気を診察し、必要であれば手術をするのが脳神経外科の領域です。

物忘れが心配なら一度、受診をお勧めします

外来の新患で来られる方の多くは、頭痛、めまい、しびれ、転倒して頭をぶつけた、物忘れで受診されています。この5つで全体の9割を占めています。近年はテレビでも認知症の話題がフォーカスされているので、心配で受診される方が増えています。どなたでも50代後半から衰えを感じるようになりますが、テレビや雑誌で取り上げられるたり、ご家族やお友達から物忘れを指摘されたりして、心配になって受診する方が圧倒的に多いです。でも、ご自分で自覚して病院に来られる方の多くは、認知症であることはまれです。ご自分が物忘れをしていることすら気付かず、「自分は大丈夫」と思っている人が危ないのです。

例えば俳優さんの顔は分かるけど名前が思い出せないとか、ちょっとした約束事をうっかり忘れてしまうことがあっても、あまり問題になりません。若い頃は洗濯をしながら掃除をしていたのに、片方をやっているともう片方を忘れてしまうといったケースも加齢によるものです。明らかに病気なのは、昨日友達と会ったことなど実際の出来事を忘れてしまったり、時間や季節の感覚がなくなったりすることです。幼稚園や小学校くらい時から今までの記憶の時間軸がどこかで途切れてしまうのは、とても危険な兆候です。40代でも若年性のアルツハイマー病がありますし、脳卒中や脳腫瘍でも認知症のような症状が出てくるので、心配であれば調べていきます。

自分の家族として患者さんと向き合います

医療現場においてインフォームド・コンセント(説明と同意)が重要視されていますが、治療の方向性を最終的に決める時、こちらから選択肢を並べて患者さんに自由に選んでもらうのは実際問題として、非常に難しいと感じています。ですから我々が一番いいと思われるものをお勧めするようにしています。患者さんが自分の家族だったらどうするかを基準に考えてお勧めしています。僕も家族が病気になったり、祖父や父を亡くしたりしたので、その経験が患者さんと向き合うスタイルにつながっているのかもしれません。純粋に医学的な判断だけでは難しいことの一つに、年齢の問題があります。

病気のガイドラインには、統計学的に有効性が出るのが何歳以下などと示されていますが、データが無い場合にどうするのかということがあります。80歳以上でも手術して治したい患者さんもいれば、お薬だけを希望する患者さんもいますので、医学的な基準だけでなく、患者さんのご要望や人生観を踏まえた治療を心掛けています。

地域密着の医療がしたくて医学の道へ

僕は外科医になりたくて医者になりました。実家の隣で外科の先生が開業していたので、僕も縫合してもらったり、先生が患者さんを助けたりする姿を小さい頃から見ていました。小さな病院で入院患者さんをお一人で診ていましたが、夜中でも診察してくれたので地域の人たちにとても信頼されていました。僕もその先生のように地域に密着してたくさんの患者さんの治療に携わりたくて、外科医になろうと思いました。

医療の向上を目指し、情報発信を続けます

当院の手術件数は千葉県内でもトップクラスです。手術機器や検査機器も含め、大学病院と変わらない高度な医療を提供しています。しかも祝祭日を除き、月曜日から土曜日まで診察しています。検査も予約から結果が出るまでとても早く行えます。お待たせすることなくスムーズに診察できるので、患者さんにも喜んでいただけるのではないでしょうか。今後も東葛地域で最先端の医療を、365日24時間、提供し続けたいと思います。僕が目指していた地域に密着した医療です。たくさん良い医療をしてさらにバーションアップを図り、その結果を病院内に限らず、世界中の医療機関に発信し、共有したい。それが世界の医療を向上させることにつながってほしいと願っています。

そのためには若い先生の教育も必要です。優秀な医師を育てることも僕らの役割だと感じています。

脳や神経系でのお悩み事は遠慮なくご相談ください

赤ちゃんから高齢者、認知症から脳腫瘍まで、外来では断らずに診るようにしているので、手足のしびれや脱力、ろれつが回らないとかフラフラすることがあったら一度、気軽に来てほしいと思います。患者さんの病状に合わせて、さらに専門性の高い病院を紹介することもできますし、病状が落ち着いたら、またご自宅から近い当院で治療が続けられます。東葛地域の神経系の病気の窓口になれる病院でありたいと思っています。