手外科外傷センター

手外科外傷センターについて

平成26年9月、手指切断(切断指ホットライン)や挫滅・デグロービング損傷等の重度手外傷を積極的に受け入れることを目的に設立しました。麻酔科医、手術室スタッフ、病床管理者と連携する枠組みを作り可能な限り受け入れる体制を整えました。設立から令和1年8月までの5年間で切断指再接着術は382指(約76指 / 年)施行しています。再接着以外にも開放骨折やデグロービング損傷等の緊急手術にも多く対応し、手外科外傷センターとしての役割を果たしてきました。
近隣の良好な医療環境の変化もあり当院まで搬送されてくる切断指などの重度手外傷は年々減少傾向です。機械の安全性能の向上や職場での安全教育等によって全国的にも重度の手外傷は減少傾向にあります。一方、一般的な手の外傷である手指骨骨折・関節脱臼、神経・腱断裂、熱傷等はあわせて平均100~150例 / 年ほど手術を行っています。手外科関連全体の手術件数は年間約350~400件になります。
木曜・土曜の手外科外来の最近の特徴として、手根管症候群や肘部管症候群などの絞扼性神経障害、ばね指やド・ケルバン病といった炎症性疾患、特にヘバーデン結節やブシャール結節・CM関節症などの変形性関節症が大きく増加してきています。これらの疾患は更年期以降の女性に多いことから、女性ホルモンと類似した働きをする「エクオール」の摂取を積極的に治療に取り入れています。また症状に応じて内服薬や貼付剤の処方、痛みの強い関節へはステロイドの局所注射を行い、症状の経過によって関節固定術や関節形成術あるいは人工関節置換術を検討していただいています。
手という器官の特性上、機能面と整容面両方ともに重視し術前術後にかかわらずリハビリテーション部門との連携を密にとり、患者さんの状態に応じた治療を行っています。また当院は日本手外科学会認定研修基幹施設に指定されていますので、専門的で高度な医療を提供すること、手外科医の教育・養成に関してもその役割もしっかり果たしていこうと考えております。

研修施設認定証

主な対象疾患

切断重度挫滅、広範囲組織欠損
手指骨骨折、中手骨骨折、舟状骨骨折
腱断裂、神経断裂、脱臼、熱傷、切創、挫創、蜂窩織炎
ばね指、ド・ケルバン病
ヘバーデン結節、ブシャール結節、CM関節症
良性骨腫瘍神経鞘腫、腱鞘巨細胞腫、ガングリオン
手根管症候群、肘部管症候群
人工指関節
以上は代表的な疾患であり、その他手の疾患全般(※)に対応します。
(※) 関節鏡や内視鏡治療は行っていません(TFCC損傷など)

センター責任者

手外科外傷センター長 形成外科主任部長
柳林 聡(日本手外科学会専門医、日本形成外科学会専門医)

代表的な手術件数

令和1年8月
~令和2年7月
切断指再接着術 26例
手指骨骨折手術 36例
腱縫合術 23例
腱移行・腱移植術 24例
腱鞘切開術 63例
神経縫合術 24例
手根管開放術 51例
関節固定・関節形成術 15例
人工指関節置換術 10例
遊離皮弁・動脈皮弁術 14例

外来受診方法

毎週木曜日(午前・午後)、毎週土曜日(午前のみ)形成外科の手外科外来(担当 柳林)を受診してください。受診前に休診状況をご確認ください。
少々お待ちいただくことにはなりますが、予約はなくとも診察可能です。