失神・意識消失の診療(失神外来)
※外来診療は火曜日の午後新東京クリニックで行っています。
診療情報提供書(紹介状)は必要ありませんが、すでに他の医療機関で診療されている方は可能な限り持参してください。
休診情報は 内科 | 医療法人社団 誠馨会 新東京病院 を確認してください。
当科で診療を行う症状・状況
- 原因がわからない意識消失または意識がなくなりそうになる症状。
- 繰り返すめまい・立ち眩み。
- 朝起きられない、朝は気分が悪く動けない。
- 上記の症状で診断されているが改善しない(再評価を行います)。
ご不明な点は一度ご相談ください。
失神とは何でしょう?
自律神経や心臓が異常に低下するなど原因で、血流が一時的に脳に流れなくなり意識を失うことを「失神」といいます。
通常、数秒から数分以内に後遺症なく回復します。一般には「気絶」「気を失う」「脳貧血」とも呼ばれる、意識消失の中の1つの症状です。低血糖やてんかんでも意識はなくなりますが、失神とは違う原因の意識消失となります。失神は一過性意識消失の一つとなります。
当科ではすべての意識消失の初期診療を行い適切な治療に連携します。
失神・意識消失を5つに分けて考えます。
- 起立性低血圧
いわゆる立ち眩みのひどいもの、起立不耐応症・起立調節障害の原因の一つになる。 - 反射性失神(神経調節性失神・迷走神経性失神・血管迷走神経反射)
長時間の立位(朝礼、満員電車)・緊張・排泄等で自律性神経のバランスが崩れるために失神する。他にも食事、咳、疼痛など様々なきっかけで起こります。 - 不整脈性失神
心拍数が極端に早かったり、遅かったりするために失神する。 - 心疾患
心臓弁膜症・心筋症などにより失神する。 - 失神以外の意識消失
てんかん、低血糖など。脳梗塞では稀。
当院の失神診療は?
失神だけではなく、一過性意識消失に対して初期診療を行います。
一過性意識消失の原因は様々で、失神以外の意識消失(てんかんなど)を含めると非常に広い領域から原因を調べる必要性があり、他の診療科や他の病院と協力して診療を行います。
- 意識がなくなりそうになる状態(前失神)。
- ひどい立ち眩み・めまい。
- 起床時に気分が悪くなる・朝起きられない。
などの症状が出現する方も関連領域として診療にあたります。
ガイドライン等をすでに有用性が証明された検査・治療を基本にしており、特殊な方法を行うわけではありません。発症の状況・症状や心電図所見から危険性を評価して、発作頻度も踏まえて診療に当たります。必要に応じて、入院での検査・治療を行います。
失神の診療はここ数年で、チルト試験(図1)や長さ5cm程度の植込み型心電図(図2)と言われる機器などの進歩や治療法が進んでおり、診断法や治療法がなかった失神にも対応が可能となってきています。
医学的に危険性の低い失神であっても生活に影響を与えます。当院の失神診療は「生活の質」の向上を1番の目標としています。意識を失う、失いそうになる方は一度ご相談ください。
(図1)ヘッドアップ・チルト試験

反射性失神・起立性低血圧の診断に用います。
姿勢の変化に伴う心拍数・血圧などバイタルサインの変化を確認します。失神を誘発し症状の確認を行います。1泊での入院での検査となります。
(図2)植込み型心電図(日本メドトロニック社より提供)

植込み型ループ式心電図(植込み型心臓モニター)は図の機器を含め3社から提供されています。症状出現時の心電図の記録が可能です。また、不整脈が出現したときに自動的に記録を行います。記録は体外より特殊な機器で読み取ります。また、ご自宅に中継機器を置くことでインターネットを通じ来院されなくても担当医が記録を確認することも可能です。
植込み手術は30分程度で1㎝程の皮膚切開を行います。1泊の入院で行っています。
早期に評価が必要な失神は以下の3つになります。
- 心臓の病気や心電図の異常がある方。
- 失神(前失神も含め)回数が多い方。
- 失神のため生活を制限されている方。
当てはまる方は早めにご相談ください。
