実績

呼吸器外科 2020年度実績

2020年度は新東京病院の呼吸器外科としては開設2年目ということになりました。開設初年度の2019年度には全体で153件、月平均ですと12.75件の手術症例がありましたが、2020年度に入ると新型コロナウィルス蔓延の影響での受診控えや検診が事実上休止した影響を受けてしまったように思います。また、2019年度では広島、三重、長野などの遠方からお見えになっていた方がお見えにならなくなってしまったことが影響したと考えます。4月には11件、5月には8件にまで手術症例が減少してしまいました。6月からはやや持ち直して、2020年度としては184件、月平均では15.33件の手術症例がありました。幸い、出血による再手術、手術関連死亡はありませんでした。

年齢的にはやはり高齢化の影響が考えられ、高齢者の手術症例が多く、2019年には70歳代が35.3%、60歳代が20.3%、80歳代が14.4%という順でしたが、2020年度では最多は変わらず70歳代で40.8%でしたが、次は80歳代で25.0%、それに次いで60歳代で16.8%となっておりました。高齢者であっても安全に手術が行えていると考えております。

疾患としては原発性肺癌が2019年度では52.3%であったものが2020年度では48.9%とわずかに減少したものの、一般病院としては標準的なところに落ち着いているように考えております。自然気胸や血胸の手術は2019年度の17.0%から2020年度の15.2%と一般病院としてはやや少なめで、近隣の医療機関との連携がまだ課題であるように考えています。縦隔腫瘍は2019年度に9.2%で2020年度では6.0%でしたが、ほとんどの縦隔腫瘍を完全胸腔鏡手術で切除しながら、心臓外科との協力で人工心肺を使用しての切除手術を行うなど幅広い対応力をさらに広報していかなければならないと考えています。

手術術式としては肺葉切除が2019年度の34.0%から2020年度には23.4%に減少し、区域切除が2019年度の13.1%から2020年度の19.6%に、部分切除が2019年度の39.2%から2020年度の46.7%とそれぞれ増加しました。標準術式の肺葉切除術とリンパ節郭清の割合が減少した理由としては、非常に早期の症例を切除範囲を縮小して行うこともありますが、むしろ呼吸機能が不良で消極的に縮小手術を選択せざるを得ない症例も多かったことが影響していると考えております。術後に在宅酸素療法を行うことを前提としてでも縮小手術しか選択できないような症例もありました。

2021年度も当科の特徴とする低侵襲の完全胸腔鏡手術から、心臓外科と協力して行う拡大手術まで広い守備範囲も特徴として症例を積み重ねてまいりたいと思っております。